第2章 部品交換で新車時の状態にリセットする

第1章で報告したように、モータージャーナリストの大谷達也氏が車両の状態を高く評価したリフレッシュ後の850T-5Rエステート。ボルボ正規ディーラーは、どのようなメンテナンスを施したのか。今回はサスペンションやパワーユニットといった走行性能に大きな影響を及ぼすメカニズムを中心としたリフレッシュをレポートする。

経年劣化した足回りを的確な部品交換で復活させる

経年劣化が乗り味の変化として表れる足回り。サスペンションは、素材や役割の違った多くの構成部品が複雑に組み合わされて構築されている。そのため、本来の性能を維持するためには、劣化した箇所を的確に見抜く目と、全体のバランスを調整する技術が必要となる。そんなサスペンションの最適化というべき、車両の状態に応じた整備は、ボルボ車に精通したメカニックだからこそ可能といえる作業。今回の850T-5Rエステートでのリフレッシュでは、ショックアブソーバーやスプリング、スタビライザーのほか、それらを支えるアッパーマウントやコントロールアームの交換が必要と判断。その結果、大谷氏がレポートしたように新車当時のシャキッとした乗り味を復活させている。さらにハブベアリングのほか、ブレーキパッドやディスクローター、ブレーキホースを換えることで、快適な乗り味だけでなく安全性・信頼性も取り戻している。

走行距離23万kmでも十分な性能を発揮するエンジン本体はそのままに、消耗品を換える

走行距離は23万㎞を超えているが、驚いたことに850T-5Rエステートのエンジン自体は快調そのもの。サスペンションと同様に消耗・劣化した部品こそ換えたが、エンジン自体に手を加える必要はなかった。主に交換したのは、タイミングベルトのほか、ウォーターポンプやラジエーターといった、トラブルが発生するとエンジン本体に影響を及ぼす部位。フューエルタンクをはじめ。燃料をエンジンに供給するためのフューエルポンプ、フューエルホースはすべて新品に取り替え、さらにエンジンマウントやオイルクーラーホース、プラグ、プラグコードも交換した。ボルボ車に対する正確な知識と確かな技術をもつ正規ディーラーだからこそ、このような安心して乗り続けるために欠かせない予防整備が確実に実施できる。

走行距離23万kmを考慮して必要な部品はトラブルがなくても交換

パワートレインをリフレッシュしたなかで、唯一、大がかりといえる整備を行ったのがトランスミッションだ。今回リフレッシュした850T5-Rエステートの走行距離は23万㎞。初年度登録からこれまでの20年間、ノントラブルで不具合は一切みられなかった。このままでも走行に支障はないが、新車時と比較してシフトショックが大きかったこともあり、新しいトランスミッション(純正リビルト品)への交換作業を実施。車両を良好な状態に保つため、トラブルがなくても必要な部品を交換するという判断は、ボルボ車を知り尽くしたスペシャリストだからこそのメンテナンスといえる。

NEXT VOLVO 850 ESTATE REFRESH REPORT

第3章 ボディ&インテリアのリフレッシュ

どんなに耐久性に優れていても、ボディの塗装には初年度登録から20年の歳月を経たくすみや痛みが見受けられた。また、ダッシュパネルやシートなどの内装にも汚れや劣化が生じている。これらを専任のサービス・スタッフの高い技術力によって再生。第三章ではボディや内装を中心としたメンテナンスをレポートする。

第4章 なぜボルボ車は長く乗り続けられるのか

優れた耐久性を誇るボルボ車だが、クルマの作りが優れていることだけが、永く乗り続けられる理由ではない。高度なトレーニングを受けた正規ディーラーのスペシャリストたちが、最高水準のメンテナンスを実施することで「安全・安心」を支えているのだ。そんなボルボの取り組みに迫る。